Vol.1 はじめまして。尾道市立美術館のコラムが始まります。
昭和55年開館当時、南側から撮影された全景です。右上に千光寺公園の展望台が見えます。
尾道市立美術館が産声を上げたのは、昭和55年3月のことでした。当時、広島県下では県立美術館ぐらいしかなかった時代でした。「寺の町」と呼ばれている尾道なので、屋根は市内の西郷寺を模してデザインされています。
正面入り口には、なぜか石造の狛犬が鎮座していました。今は尾道市役所の前に引越しています。
開館記念展は、尾道で最も重要な作家、小林和作を紹介する展覧会でした。 尾道市名誉市民である洋画家の小林和作は、画業だけではなく、尾道市の文化芸術の発展に尽力した画家でした。昭和49年に逝去した後に、市民の皆さんから美術館建設に向けて声が上がりました。尾道市立美術館は、市民運動から生まれた美術館で、建設費の半分は多くの市民の方々からの寄付金で賄われたのでした。今もそうですが、昔から尾道は、文化芸術に対しての想いが深い土地柄なのです。
これが今の美術館です。開館当初の白黒写真とは反対側の、展望台あたりから撮影した写真です。
平成15年に、リニューアルしました。建築家の安藤忠雄氏による増改築工事は、開館当初の建築に、新たにガラス張りの新館をあわせたもので、内装は全面的に新装されました。
建物が変わっても、絶対に変わらないものがあります。それが、2階ロビーから望む尾道水道と瀬戸内海の島々の風景です。この風景に負けない展覧会を開催しようと悪戦苦闘していますが、なかなか難しいです。
写真の角度は違いますが、左が昭和55年に撮影された写真です。
眺めと言えば、新装された喫茶ルームからの眺望も格別です。コーヒーや紅茶がメインですが、地元の和洋のお菓子屋さんの焼き菓子も食べることができます。特別展では、会期限定のお菓子をご用意してます。
さらに、ミュージアムショップの充実度は、以前と比べて格段にアップしました。なかでも地元作家のグッズや、館オリジナルグッズが、たくさんあります。
工房尾道帆布の尾道市立美術館タグ付のグッズがあったりもします。(ペン入れ・バッグ・小物入れetc)
あまり知られていませんが、ショップと喫茶だけの利用なら、入館料はいただいていませんので、お気軽にお越しください。その際は、受付でおっしゃってください。
ご来館をお待ちしております。
(UNEMOTO)