高畠 達四郎 たかばたけ たつしろう
花と女(裸婦) はなとおんな(らふ)
昭和7(1932)年  油彩・カンヴァス  115.5×73㎝ 
 
プリミティブで詩情豊かな風景画で知られる高畠達四郎ですが、この「花と女」は、7年間の滞欧中に影 響を色濃く残した初期を代表する作品です。渡仏中の高畠は、梅原龍三郎の勧めでナビ派の画家たちが設立したアカデミー・ランソンに学びながら、キスリングなどエコール・ド・パリの画家たちの影響を受けました。平坦な画面構成と明快な線描、そしてナビ派の神秘的な要素が、この作品から見受けられます。
 
明治28(1895)年 東京に生まれる。
大正3 (1914)年 慶應義塾大学理財科に入学。
大正5 (1916)年 同校を中退し、本郷洋画研究所に通い岡田三郎助に師事する。
大正8 (1919)年 第7回光風会展に初入選。
大正10(1921)年 渡仏。(昭和3年帰国)アカデミー・ランソンに学び、ドニやボナールらを知り、 サロン・ドートンヌに入選する。
昭和4 (1929)年 第4回国画会に滞欧作品を出品し、会友に推挙される。
昭和5 (1930)年 独立美術協会の創立に参加する。翌年の第1回展から出品。
昭和27(1952)年 毎日美術賞を受賞。
昭和30(1955)年 第3回日本国際美術展で佳作賞を受賞。
昭和39(1964)年 武蔵野美術大学講師となる。(翌年から教授)
昭和51(1976)年 逝去。