ジュール・デュプレ  
ノルマンディーの藁葺きの家 のるまんでぃーのわらぶきのいえ
1869年  油彩・カンヴァス  24.5×32.5㎝
 
ジュール・デュプレは、厚塗りと荒々しい筆使いを特徴としたバルビゾン派の画家です。デュプレは、野外での素描や油彩スケッチをもとにアトリエで作品を制作していました。この作品の大きさや絵の裏に4月14日の日付けがあることから、実景を一気に描いたことが想像されます。雲の動きを素早く描いていることから油彩スケッチの可能性がある作品なのです。1865年からノルマンディー地方北西部のカイユー=シュル=メールにしばしば訪れ制作しており、「ノルマンディーの藁葺きの家」は、おそらく当地を描いたものと考えられ、画面向こうは海と推測されます。
 
1811年 フランスのナントの磁器工場の息子として生まれる。
1822年 磁器絵付職人として働き始める。
1823年 この頃から油彩画を学び始める。
1831年 サロン(官展)に初入選する。
1834年 イギリス旅行をし、コンスタブルらのイギリス風景画から影響を受ける。帰国後、ルソーと親交を深め影響を受けるようになる。
1850年 パリ近郊のリラダンに移住する。
1889年 終生を過ごしたリラダンで逝去。