林 寅山 はやし いんざん 
尾道浦絵屏風 おのみちうらえびょうぶ
江戸時代  顔料・紙 六曲一隻    78.0×258.0㎝
 
建ち並ぶ蔵屋敷、出船入船の千石船、千光寺の赤堂では遠眼鏡をのぞいている人物が描かれています。江戸時代の尾道を、千光寺の上から尾道水道と島々を見渡した風景です。この屏風を描いた林寅山については、目下のところ出自など経歴は不明です。しかし、同じ寅山が描いたもので、市内の浄土寺に奉納された絵馬「樊噲図(はんかいず)」の款記および紀年銘から、文化年間(1804年-1818年)に大阪で活動していたことを、うかがい知る程度です。このことから、「尾道浦絵屏風」も文化年間の頃に描かれたものと考えられます。この屏風は、基本の地形が今とかわらない尾道水道や島々の情景を、正確に描写しており、歴史資料としても貴重な作品です。
 
略伝不明