橋本 静水 はしもと せいすい
うま
顔料・絹 軸  53.3×70.2㎝
 
どのような経緯で所蔵していたのかは不明ですが、小林和作旧蔵の作品で、箱に和作によって「馬」と認めています。後ろ足が、軽く砂を蹴り上げている様を、金銀の砂子を散りばめて表現しています。乗馬や農耕用の馬ではなく、神馬のようですから、本来は別に題名があったことが考えられます。 橋本静水は、師事した橋本雅邦の画塾二葉会の幹事を務めるなど同会の中心的な画家として活躍しました。師の画風を受け継いだ静水は、古典性と高い画格を持ち、花鳥、風景、仏画と作域が広い画家でした。尾道出身の画家ですが、東京で制作活動をしていた関係で、市内に遺された作品は非常に少なく、当館所蔵は3点に止まっています。
 
明治9 (1876)年 尾道に生まれる。本名は宗次郎。
はじめは正素と号していた。
東京美術学校を中途退学し、橋本雅邦に師事する。
明治44(1911)年 第5回文展に「一休禅師」が入選、褒状を受ける。
大正3 (1914)年 日本美術院再興にあたり院友となる。
大正5 (1916)年 第3回再興日本美術院展に「あやはとり・くれはとり」を出品し
同人に推挙される。
昭和18(1943)年 逝去。