浅野 竹二 あさの たけじ
尾道 おのみち
木版、紙   26.0×39.0㎝
 
浅野竹二は、日本画や油彩画を描いていましたが、昭和5年から本格的に木版画を制作するようになり、翌年に版画家となった作家です。一時期は、日本版画協会や京都版画家集団といった団体に所属していましたが、やがて、個展の開催に重きを置いて、京都を中心にメキシコやベルリンなどで開催します。当初は「名所絵版画」して各地の風景を制作していましたが、やがて、単純化した人物や動物を抽象的に表現しました。「尾道」は浄土寺から尾道水道を望んだ構図で、名所絵版画『瀬戸内海』の中の一作です。
 
明治33(1900)年 京都に生まれる
大正9 (1920)年 京都市立絵画専門学校(日本画)に入学。(大正12年卒業)
大正10(1921)年 この頃より、油絵を始める。
大正15(1926)年 日本画に復帰。
昭和2 (1927)年 第6回国画創作協会展に「風景池」が入選。土田麦僊に師事。
昭和3 (1928)年 新樹社創立会員になる。
昭和2 (1927)年 この頃から木版画を制作する。
昭和6 (1931)年 日本画家から版画家に転向。
徳力富吉郎らと版画専門誌『大衆版画』の発行に参加。
昭和30(1955)年 京都府工芸美術綜合研究所委員会工芸専門委員に委嘱される。
平塚運一の勧めにより日本版画協会会友となる。(昭和35年退会)
昭和46(1971)年 京都市美術展審査員を委嘱される。
昭和56(1981)年 京都市文化功労者賞を受賞。
平成10(1998)年 逝去。